「五・七・五」の頭の五文字(冠題)を交代で出し合って、毎日、一句の交流です。
三月十三日(木曜日)
○我が道は 難所たくさん ありまして けいこ
けいこロードは峠あったり、時々、がけ崩れが起きていたりして、難所だらけの道となっており
まする。
○我が道は 空ゆく鳥の 脚の跡 みどり
いのちいただいて生かされて、毎日、泣いたり笑ったり、いつまでたっても人生学校の一年生
です。今生になにも残していけませんが、どうぞおゆるしを...。明日は「喜びは」 で一句!
心に残る絵本 ― 『100万回生きたねこ』
佐野洋子さんの人気の絵本です。何回開いても、最後のページでほーっとする不思議な絵本です。王様にもかわれ、かわいい女の子にも、どろぼうにもかわれたけれど、誰をも愛することなく死んでは生き還るを繰り返してきたトラネコが、美しい白ネコに出会い、彼女を愛し、子どもたちにも恵まれ、幸せな家庭をつくることができました。ところが...その幸せは長くは続かず、白ネコに先立たれてしまう。息絶えた白ネコを抱いてはじめて涙を流し、いつまでも泣き続けたトラネコはそのまま死んでしまう。そして、今度は二度と生き返らなかった。
これはどういうことだろう....。柳田邦男さんは「般若心経」の一節を引いて、次のように言っておられます。
人を愛するとは、権力や財力や地位といった世間的な価値とは関係なく、人が上下なく同じ地平に立って他者と裸で向き合うことだ。であるなら、その身にはいのちあるこの世のすべての生き物と同じように平等に死が訪れる。しかし、その生き物(もちろん人間を含めて)の美しい魂は自然界に還り、野の風景にとけこんでいつまでも生き続けるのだ。 「般若心経」をあらためて読み返すと、「不生不滅」の言葉が、これまでにない強い響きで迫ってきた。そうだ、「色即是空」は「不生不滅」と表裏一体なのだと、私は思った。
柳田邦男 『言葉の力、生きる力』(新潮文庫)より