「五・七・五」の頭の五文字(冠頭・冠題)を交代で出し合って、毎日、一句の交流です。
十月十九日(金曜日)
○いつの日か 迷いや悩み 笑い事 けいこ
前にもこんな句を詠んだような気がするんですが、いっつも過去を振り返るとなんでもない事
に過剰に反応して深刻に悩んでいたりします。相変わらず
クヨクヨ虫は駆除できましぇ~ん。
○いつの日か 君と登らん安達太良山 みどり
四十年近いむかし、高村光太郎の『智恵子抄』に惹かれて、安達太良山(
あだたらやま)に登った
ことがある。いつの日か、今度は福島っ子のけいこさんに先達してもらって、「あの光るのが
阿武隈川(あぶくまがわ)」 なんて言いながら、登ってみたい。
昨日、いつものように染井霊園を自転車で走った。爽やかな秋空に浮かぶ雲がきれいだった。高村光太郎・智恵子が眠る高村家の墓所の近くのススキがいい風情だったのでカメラを向けた。ハゼノキが色づき始めて、ちらちらと赤いものが見える(
写真右)。
高村家のお墓に赴くと、墓石の上にも青空が広がっていた。光太郎の 「あどけない話」 の冒頭が思い出された(
写真下)。
あどけない話 高村 光太郎
智恵子は東京に空が無いといふ。
ほんとの空が見たいといふ。
......
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとうの空だといふ。
あどけない空の話である。
○智恵子さん、見てください。今日の空、ほんとうにきれいですよ。やっぱり、阿多多羅山の上の空でなくちゃだめでしょうか....。
(
写真:10月18日夕刻、染井霊園にて撮影)