「五・七・五」の頭の五文字(冠頭・冠題)を交代で出し合って、毎日、一句の交流です。
六月二十八日(木曜日)
○
鳥帰る 駅頭の一樹あまたあまた みどり
駅前のロータリー中央の一本の木に、夕方になると、まさしく無数の小鳥が帰ってきます。
薄暗がりのなかを飛んで来て、梢に身を沈めるとき、さっと白い姿が見えますが、木の表面
には鳥の気配さえありません。いちど潜入してみたい...。
○
鳥帰る 沈む夕日に促され けいこ
夏至が過ぎ、これから少しずつ日が短くなると思うと、少し寂しいです。
今年は気のせいか、草木の伸びる勢いがすごいなぁと思っていたら、ある地球科学の先生が、「植物たちは地球の温度の上昇を敏感に感じて、なんとか温度を下げようと一生懸命なのです」と言っておられました。改めて都内の街路樹を眺めてみたら、中小のオフィスビルが立ち並ぶような場所では道を覆うほどに鬱蒼としています。
草や木は特殊な通信機能で世界会議を催し、いちはやく地球温暖化防止対策を打ち出し、実行に移しているのです。「欲得・名誉の絡んだ人間たちの話し合いはまったく不毛です。とても待ってはいられません。私たちが1度でも2度でも下げなければ... !」と頑張る草や木なのです。そういえば、裏の空地のハルジオンも今年は丈高くぼうぼうと茂っています。