2014年4月6日(日曜日)
木の威厳 —— 根っこの力
近くの神社の参道でこんな幹がえぐられたような洞のある木に出会いました。
かなり大きな木で全体像は撮れませんでしたが、立派な根方(↓)に感動しました。
そして、何十年も前にノートに書きつけていた一文を思い出しました。メモに間違いがなければ、宇佐見英治『樹と詩人』(筑摩書房、1994年)からの抜き書きです。
樹木の根
地中に根をのばし、樹木は岩をつかもうとする。支根をのばし腐植土をかきわけ、砂礫層をわり、細根をのばして樹はさらに下方をさぐる。或る樹の根はこのようにして岩盤に達し、石理のわずかな隙間にひそみ入って、ついに岩塊を抱えこむ。
木の精気と不逞の意志がどこよりもよく感じられるのは、幹ではなく根である。根は蠢き、踊り、みずからの力で岩に挑みかかる。
木には望みがある
この春もまた「木にある望み」を見せて
もらいました。去年の夏、切り倒された
裏山の高木が気がかりで見に行ったら、
ほら、ちゃんと若枝を伸ばしていました!
「木には望みがある」とは旧約聖書
「ヨブ記」の言葉ですが、たとえ聖書に
記述がなかったとしても、わたしたちが
木から直接学ぶことができる真実です。
木には望みがある。
たとい切られても、 また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。
たとい、 その根が地中で老い、
その根株が土の中で枯れても、
水分に出会うと芽をふき、
苗木のように枝を出す。