2011年11月19日(土曜日)
バクテロイデスとの戦い ― 猫神様に見込まれた友人の話
私の友だちに、なぜか傷ついた猫と何度も遭遇し、
なぜかその猫と目が合ってしまうため、そういう
猫たちを連れ帰っては世話をすることになる人が
います。あるときは片目のない猫、あるときは
AIDSに感染した子猫、そしてまたあるときは
やせ細って足取りのおぼつかない猫...。
何匹かは既に今生の生を終え、残った3匹を
「これで最後かな」 なんて言っていた彼女だったのですが、今年の夏の終わりといってもまだ暑さの残る8月末、よろよろした子猫がまたしても彼女の視界を過(よ)ぎったのです。彼女によると、その近くでは猫給食を配る人がいるから大丈夫だろうと、一旦は通り過ぎようとしたのだそうです。ところが、その子の後ろ足の付け根に大きな傷が口を開き膿が垂れているのが見えてしまい、一瞬激しく迷ったものの、やはり家に連れ帰り、近所の動物病院に診せに行ったのだそうです。傷の治療と栄養剤の点滴などの処置が施され、子猫はほどなく快方に向かいました。
ところが、です。傷は一、二週間で元のように開き、検査の結果、「
嫌気性のバクテロイデス菌」に感染していることが分かったそうです。その菌は空気を嫌い、内部へ内部へと入っていく性質をもっていて、毎日通院して消毒治療を受けなければならず、しかも1回の治療費は4000円近い額で、治療費は20万円、30万円と嵩んでいきました。
そんななかで、「あなたも傷が痛いだろうけど、こちらはお財布がひどく痛んできたから、早く治ってね」 と子猫に語りかける彼女を見ていると、「
この人は猫神様から見込まれているに違いない」 と思わずにいられませんでした。
その彼女から、つい二、三日前、「
ついにバクテロイデスとの戦いが終わりました~!」 と
フォトメールが届きました。8月末の写真で左後ろ足に見えていたむごたらしい傷はすっかり
癒えてきれいになっています。
Enya ―― Chinese Roses