2011年4月20日(水曜日)
ドイツもスイスも ― そして、わたしたちも!
福島原発は依然として一触即発という危険な状況を脱していません。
これほどはっきりと原発の脅威を目の当たりにしながら、日本では、原発保持を唱える人がまだかなりいると聞いて驚いています。
政治・経済・社会にはめっぽう弱いわたしですが、どう考えても、原発は人間の底知れない欲望を象徴する魔物としか思えません。
ドイツでは福島第一原子力発電所の事故を受け、早くも3月15日、「原発早期全廃」へと原発政策を変更する方針を明らかにしました。
メルケル首相は、「可能な限り早く、原子力エネルギーから脱却したいと思う」と述べ、風力などのクリーンエネルギーへの転換を早める考えを表明しています。そして、「稼働中の原子炉17基の延長を3ヵ月間凍結し、1970年代から稼働する7基は運転を停止した」と報じられています。
また、スイスのカルミレイ大統領は11日、自国の原発政策について複数の案を検討中としたうえで「出口案も描いている」と述べ、将来的な脱原発の可能性に言及していると聞きます。スイスでは5基の原子炉が稼働していますが、福島第一原子力発電所の事故を受け、同国政府は3月14日、原発の改修と新規建設計画を当面凍結することを明らかにしています。議会でも近く脱原発を議論する予定と報じられていました。(→ レマン湖)
3月20日付のスイス紙「ル・マタン」 は、福島第1原発事故を受けた世論調査を掲載。それによると、
将来的にスイス国内の原発廃止を望む意見が87%に達している。2009年の調査では73%が「原発は必要」と答えていたことからすると、今回の福島第1原発事故を目撃した結果が反映されているといえるでしょう。
オランダでは4月16日、アムステルダムのダム広場に数千人が集まり、原子力発電に対する反対集会が行われ、集会では日本の地震と津波や原子力発電所爆発による被災者に黙祷が捧げられたそうです。(→ ダム広場)
ヨーロッパの多くの国では、原子力発電所に反対する大規模なデモが行われ、脱原発の方向に向かっています。
今度ばかりは、「外圧に弱い日本」の本領を発揮し、一気に脱原発の方向に向かってほしいと念ずるばかりです。
星めぐりのうた(「銀河鉄道の夜」から 作詞/作曲:宮沢賢治)