2011年2月21日(月曜日)
両国と三遊亭圓朝と塩原太助
JR両国駅の改札を回向院の側に出て、駅を背に真っ直ぐ行くと、竪川(たてかわ)に突き当たり
ます。
竪川は1659年(万治2年)に起工された運河で、旧中川と隅田川を結んでいます。
江戸城に向かって縦(東西)に流れることからこの名称となったそうです。
わたしはその川に架かる 「塩原橋」(しおばらばし) を渡って友人を訪ねました。
塩原橋の名前は、
一代で富をなした塩原太助(文化十三年没・74歳)に由来するものです。
この太助の事跡を、三
遊亭圓朝が、太助の菩提寺の捜索、子孫の発見から、生地での取材
など、綿密な資料収集の努力によって、まとめたのが『塩原多助一代記』です。
旧来の戯作本の荒唐無稽な御都合性や因果応報の低俗な勧善懲悪を脱した、主人公の誠実な苦闘が、素直な共感を呼ぶ物語になったものか、明治18年1月に速記本 『塩原多助一代記』 が刊行されると、12万部という当時の出版物としては驚異的なペストセラーとなったそうです。
花: 昨年四月上旬の隅田川です。スカイツリーはまだ展望台まででしたね!