2010年7月28日(水曜日)
夾竹桃
ワタシが夾竹桃を初めて見たのは、結婚して横浜に暮らすようになった夏のこと。
団地の庭にたくさん植えられていて、暑さの中で涼しそうに咲いている薄いピンクや
白い花をほんとうにきれいだと思った。故郷を離れてちょっと心細い思いをしていた
ワタシに「内地の花」夾竹桃は、とてもやさしく感じられた。
その後、高田敏子さんの「夾竹桃」という詩に出会い、内地の人、特に広島の人にとって、
夾竹桃はただきれいなだけの花ではないことを知った。
夾竹桃
夾竹桃が咲いている
きれいな花ね
可愛い花ね
繰り返し言った私の言葉に
友は低い声で答えた
夾竹桃の咲くころが
一番つらいのです
ヒロシマを訪れたときの
友の言葉
友は 母と弟を失って
晴れた空もつらく
川の流れを見るのもつらい
日々を重ね 持ち続けて
過ごしている
夾竹桃が咲いている
公園に川べりに
ああ きれい
とはもう言えない