2010年12月11日(土曜日)
獅子の子落とし
昨日は用事で御茶ノ水に出ました。訪問先が神田明神のそばだったので、ちょっと境内に入ってみました。いいお天気で、本殿は光の中で輝いていました。その本殿の脇に 「
獅子山」 があります。これは「
文久2年(1862)11月、両替屋仲間より神田社前へ、岩石を積み、石にて刻みし獅子の子落としの作り物を納む」(『武江年表』)という古いものだそうです。
「獅子山」 に刻まれているのは 「
獅子の子落とし」 です。ご存知のように、「獅子の子落とし」 とは、「獅子は産んだ子を深い谷に投げ落とし、這い上がってきた強い子だけを育てる」 という言い伝えによる言葉ですが、神田明神の獅子山の石像でも、
上のほうに獅子の親と思われる二頭がいて、その下にちょっと幼顔の一頭が見えます。
「獅子」 は中国の想像上の「霊獣」 で、清涼山に棲むとされます。清涼山とは、山西省東北部五台県にある仏教の名山で、いちばん高い峰は標高3,000mもあります。その峰に棲む獅子は、「
わが子を千尋の谷に落とす」といわれます。「1尋=6尺=約1.818m」ですから、
「千尋」 とは、なんと1818m! それほどの深さに突き落とす厳しさ、そういう厳しさは現代の子育てにも必要なのでしょうが、私も含め
最近の親はどうも甘くていけませんねぇ(^^;
「甘い」 といえば、神田明神の鳥居のそばの甘酒屋さん「天野屋」は健在で、小さな店先にほっこりした陽だまりができていました。