2010年8月14日(土曜日)
慈石とは?
昨日は上海の 「水石」 の話でしたが、今日もまた石の話です。
「北京のどこかの博物館で買ったものだ」 ということで見せていただいた道具に、
その石は使われています。 そのとき見せていただいたのと全く同じ道具がネットに
載っていました(↓)。「司南」とか「指南」といわれる中国古代の方向指示器です。
(追記)箱の表記にうすく字が見えますが、これは「模型」で、本物ではありません。
指示器の部分を取り出してみたのが下の写真です。小さなスプーン(レンゲ)のようなものが
見えますが、それが磁石でできていて、くるくる回って、常に南を指すようになっています。
中国の古文書によると、西欧とほぼ同じ頃、中国でも磁石の鉱石が見つかっていたそうです。そして、その石の「ひきつける」 性質が、「母親の二つの乳房が慈愛深く乳児をひきつける」 のを連想させたところから、「
慈石」 と書かれたとか...。「二つの乳房」 はもちろん 「N極」 と 「S極」 のことです。ちなみに、 『現代中日辞典』 には「慈石」 という言葉は載っていませんでした。
皆さま、残暑に負けず、どうぞよい週末をお過ごしくださいね。